161.- 登記識別情報制度は国民に対する背信制度であり,存続すべき立法理由はもはやどこにもなく,これを廃止し

5.(概要)「登記識別情報を提供すべきときに提供しないまま登記完了した事件」等もあり,登記識別
情報制度は国民に対する背信制度であり,存続すべき立法理由はもはやどこにもなく,これを廃止し
た骨子案とすべきだ。
- (意見)①この事件は書面申請において複数件伝聞しており,ただちに原因究明すべきであるが,
現行の登記識別情報制度は,登記完了後に登記識別情報そのものを廃棄してしまうため,「照合した
かどうかの事実は,検証不能な制度」であるので,登記官のための免責要件として,官に都合の良い
ことばかりの不適切な制度といわざるをえない。従って,早晩,国民の登記制度利用において,甚だし
い損害を及ぼす可能性が非常に高く,不動産登記法1条の「目的」であるところの,「この法律は,不
動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることによ
り,国民の権利の保全を図り,もって取引の安全と円滑に資することを目的とする」の立法趣旨に反し
ており,直ちに廃止しなければならない。②また,電子申請のために,本人しか知りえない情報である
ことを以って,本人確認の制度根拠としていた登記識別情報制度は,半ライン別送方式(実質は書面
申請であって偽装オンライン)の導入により,制度矛盾になったのだから,これを廃止した新骨子案と
すべきである。すなわち,登記識別情報制度は,「本人しか知りえない情報であること」を根拠に,「本
人確認」のための制度としていたのにもかかわらず,目先のオンライン利用率を上げるために別送方
式の偽装オンライン制度を導入してしまい,第三者である代理人が暗号化して送信することになった
のであるから,もはや制度矛盾を生じている。これを「書面申請にも使える制度」だということは,詭弁
といわざるを得ない。なぜなら,別送方式による半ライン申請ならば,登記済証制度のままでよいの
で,登記識別情報制度を導入する必要はないからである。しかも,制度矛盾のまま政省令のみを改正
することは,法律違反である。したがって,このような制度根拠を失っている致命的な欠陥を孕む制度
は,直ちに廃止して,新オンラインシステムを構築し直さねばならない。

御指摘のありました事案については,事実関係を確認し,その事実が認
められる場合には,登記所に対し,必要な指導を行ってまいります。
なお,登記識別情報制度に関する意見に対する考え方については,項
番7,登記済証制度の復活に関する意見に対する考え方については,項
番10のとおりです。